こないだ読んだ本

  • 疾走

面白かった。
いや、何が面白かったかといわれても書けない。
読んだのが半月前のことなので内容をほとんど覚えていない。
Amazonのコメントとかをみて、ようやく手がかりがつかめて、そこから必死に思い出そうとしている。が、どうしても結末が思い出せない。

まず兄弟の話だ。頭のいい兄と、それなりにできた弟のお前。母がいて、父がいた。
舞台は西日本のほうらしい干拓地、古くは海岸ぞいだった土地を「浜」とよび、干拓で新しくできた土地は「沖」と呼ばれ、浜の人々は沖の人々を全般的に見下している。(車谷長吉好きなので、この土地は=アマ=尼崎と脳内補完された。)
ある日沖にできた教会に神父がやってくる。失踪した人殺しだと兄は主張したが、友人の哲夫(字違う?)に誘われて教会のクリスマスパーティーに行く。沖の女の子一人しか来ておらず、お前は走って逃げる。
この女の子と神父の話でもある。(神父と聞いて、読んでいる間中、言峰綺礼のイメージが抜けなかった。台無しだ。幸い悪い人ではなかった)
そして、お前の自転車が壊れたときトラックに載せてくれた沖のチンピラの鬼ケン、および、お前の目の前で鬼ケンに股間をまさぐられて喘いでいた赤い口紅の女、この2人の話でもある。

お前が中学に入ると、教会にいた女の子と同じクラスになる。部活も同じ陸上部。仲良くなるのかと思いきや、全然。しかしお前は我が道を貫く少女を見て、孤高だと思う。
教会に通うようになって、神父に宿題を見てもらったりする。そのあとお菓子を出してくれる。兄を連れて行くが兄はまだ殺人の疑いを抱いている。正面からの問いに、神父は告白を始める。
その兄は高校に入ってから調子がおかしくなる。不登校になり、やがて引きこもりになる。
田舎の町はニュータウン構想が持ち上がり、沖浜ともに将来を夢見るが、やがて不穏な空気が流れ始める。
そうして、お前の周りの世界は徐々に崩れてゆく。

どこにでもありそうな、言葉を変えれば自分にも起こりえた出来事が次々と主人公のお前=シュウジに降りかかる。この本の特徴はリアルさが感じられることだ。感情移入度ともいうか。なんせすべて誰かが「お前」に向けて語るように書かれている。(「誰から?」は最後にわかる)
うーん。忘れたとは言いながら結構覚えてるじゃないか。結末も思い出した。でも結末の直前あたりがいまだに空白。
ごめんよ。俺は図書館に返す2週間後までに次の本を読まねばならんかったのだ。

  • 人類が知っていることすべての短い歴史

そうだ!僕だ。ビル・ブライソンだ!
「ドーナッツをくれる郵便局と消えゆくダイナー」は読んでくれたかい?ちなみに表紙のあの男性は僕とは全く関係ないからね!
そんな僕がなんと、科学読み物を書いたよ!といっても僕は科学に関しては全くの素人だから、難しい理論なんかはわからないし興味ないね。
興味あるのは僕が驚くようなことや楽しくなること。わからないことは自分で本を読むし、研究者にも話を聞きに行ったよ!
そんな僕が送る、釘が打てそうな単行本600ページ、読んでちょうらい!

(誰だこのキャラ)
この本を図書館で目撃したとき、まず目を疑った。ブライアンじゃないか?ブライアンソンじゃないか?
そして、小躍りするくらいうれしかった。んで借りた。
そして、2週間後、読みきれなかった・・・。
面白くないわけでは全然ない。違うことに時間を使ってしまっただけ。機会があればもう一度借りて最後まで読もうと思う。(←決して買わない)
タイトルの「すべて」というのは伊達じゃない、ってくらい、宇宙論、太陽系、物理学、地質学、生物学、うにゃうにゃ、科学的な分野を網羅する勢いだ。
そのスタンスは、全読すれば高卒程度の科学知識は抑えられるかなという教科書的意味をふまえつつ、驚くようなことには大きくページを割く。
とくに、科学者の奇人伝に強い。
これを読んでリチャード・オーウェンが嫌いになりました。イグアノドンの発見者、ギデオン・マンテルカワイソス。

難点をあげるとすれば、、訳がちょっと硬いかな、と思いました。
全然読みやすいんだけど、前に読んだ本に比べてしまって、読み始めのときは少しがっかりした。
それと、この訳者の人はやたらと生物の名前を漢字で書きたがる。
樹懶(ナマケモノ)、抹香鯨(マッコウクジラ)、大王烏賊(大王イカ
ルビ振るなら、カタカナでいいですから・・・。
科学界では普通カタカナですから・・・。