読書

白熱光

1年半前に読み始めて、3か月前に読み終えたのだが、どうも感想文を書こうという気にならなかった。 しかし最近、新刊のゼンデギを読み始めたことで、書き始める糸口を見つけた気がするので、簡単に書いていきたい。 ― 白熱光はイーガンの2008年の長編小説。…

人は完璧ではない

読書メーターの著者別グラフ機能は面白いのだが、本のデータをアマゾンから持ってきているようで、「グレッグ・イーガン」と「グレッグ イーガン」が別人だったりするのが切ないところ。 依頼を出せばマスタDBを修正していただけたりするのだろうか。 LastFM…

引き続き、プランク・ダイブ

「エキストラ」 臓器移植用に自分のクローン(エキストラと呼ばれる)を育成するのが金持ちの間で秘かに広まり始めたころ、大胆不敵な大富豪のダニエル・グレイは100体ものエキストラをパーティで行進させて悦に入っていた。ある時ちょっとした不祥事にま…

プランク・ダイブ

グレッグ・イーガンの、割と新しい2000年代の作品を中心とした日本オリジナルの短編集。 アイディア勝負なところのあった初期のころよりも、物語として思索として進化しています。 とかくハードSFだの、わからないところは読み飛ばし推奨だの、言われが…

虐殺器官

新聞の書評とかネットレビューを斜め読みしながら、すでに3カ月以上ロクに本も読んでない。 そんな中で仕事に疲れた私は気分転換に本屋でふらふら。 整然と並んでいる本棚と本が好きなのか、文化的かつ健康的な若い店員を見るのが好きなのか、よくわからない…

宇宙の果てのレストラン

不可能性をあやつる男(ゼイフォード)とその一味は、頭に仕掛けられた謎の意識(Z・B)に導かれるまま大冒険。 我々の世界と別の次元(多次元的な意味で)に住む生物(ねずみ)と遭遇し、星(地球)が奪われた真相を知る。

銀河ヒッチハイクガイド

宇宙消失

不可能性をあやつる男(ニック)とその一味は、頭に仕掛けられた謎の意識(忠誠モッド)に導かれるまま大冒険。 我々の世界と別の次元(多世界的な意味で)に住む生物(拡散ローラ)と遭遇し、星(お空の)が奪われた真相を知る。 ― あれ、デジャ・ビュ? ― …

大聖堂 果てしなき世界

イングランド一の大聖堂がキングズブリッジに建造されてから150年。 修道院と町は良き関係を保ち、繁栄してきた。 ― だが時代は変わる。 教会は保守的な権力層となり変化を拒む。 大聖堂や防壁、橋は老朽化が進む。 近くのシャーリングの町と羊毛業が競合し…

大聖堂

なぜかキリスト教について考えている。その2。 こちらは時代が11世紀ころ、イングランド。ローマは東西に分裂して今やビザンツ帝国として残るのみ。西側は蛮族の末裔たちに乗っ取られてしまった。時代はちょうど十字軍のころなのだけど、この小説はもっぱら…

最期の努力・上

なぜかキリスト教について考えている。 ローマ人の物語の文庫本をかれこれ4年くらい読み続けて、ようやくローマの後期に入った。 勢力が地中海全域に及ぶほど広がり、首都の元老院では統治が無理になった。 そしてカエサルが画策しアウグストゥスが実施した…

魔術師の物語

何年か前に爆笑問題カーボーイで紹介されてたような気がする。 ブックオフで購入。よんひゃくえん。 ― サンフランシスコのいかがわしい裏通り、一人の男娼がバラバラになって発見された。 写真家のケイは次の自分の写真集のテーマとして通りの人々を撮影して…

サイダーハウス・ルール

1985年の小説。映画化されたのは2000年。 映画はかなり前に一度見た気がするが、内容はほとんど忘れてしまった。シャーリズ・セロンがきれいだったことと、主役がスパイダーマンになる前のトビー・マグワイアだったこと、そしてローズ・ローズのお腹の子の父…

空中ブランコ

やばいなこれ。おもしろすぎる。 伊良部先生、そんなに注射が好きか。飽きもせず。 しかも先生のハチャメチャ治療パターンでとんとん進んで、最後のなんだコレ。マユミちゃんはともかく、さくらさんの熱さにこっちもぼーっとなってしまった。その展開は予想…

日の名残り

読むべし。そこそこ厚いけど、訳文が非常に流暢なため、まったく苦にならない。 ディケンズは大いなる遺産しか読んだことがないが、言われてみると(←解説)ち密な構成とか長い時間を感じさせるところとか似てるかもしれない。ごめんなさい「知ったか」こき…

万物理論

いつか長文感想書く。 祈りの海に入っていた「イェユーカ」と似ていなくもない。 作者の主眼がどこにあるのかがわからん。キモは万物理論であり、ディストレスなのだが、それだけではせいぜい中編くらいにしかならないはずで、それ以外のネタで肉付けしてあ…

迷走する帝国(上)

冒頭の年表見て、タイトルに納得。謀殺されすぎ。

ペーパー・マネー

悪党がエネルギー省の大臣をゆすって、近く入札のある新たなガス油田の採掘権がどの企業にわたる予定かを聞き出すことに成功する。 悪党(の依頼主)は件の企業に接近し、買収をもちかける。入札前に安く買い取り、入札が決まってから高く売りさばくつもりだ…

死国

四国はじつは死国と隣りあわせだった、といってしまえば身も蓋もない。 それは怖いっちゃあ怖いけれど、この本で書かれている「恐怖」は田舎の村をおおう、濃密によどんだ空気のことかもしれない。 田舎には田舎の風習がある。それは先祖代々言い伝えられて…

ニューロマンサー

読みにくい。独自の用語が説明もなしにばんばん出てくる。登場人物もやたらいっぱい出てくるがこれまた説明が薄い。すぐに名前がこんがらかってしまう。 ストーリーを追うのは二周目にまかせてしまって、一周目はただ感じることに専念すればいいと思う。 迷…

あなたの人生の物語

1990年から2002年までの間に8本の作品しか公表していないテッド・チャンの全作品集。 (ちなみにWikipediaによると現在までにもう2本書かれている。それでも10本。。) うーん。SF?・・・うーん。SF。 読み終わったのが一月以上前なので、思い出し…

ベンジャミン・バトンの原作を読んだ(ざっと)

前エントリ 暇で暇でしょうがないときを見つけて少しずつ読んでた。 わからない単語は調べたりせず、想像で。携帯で読んでたから意味調べとかできないかった。 − 映画版との主な違いは、、 ・ベンジャミンが産まれたときから精神がじじぃ あぜんとする医者や…

ターミナル・エクスペリメント

医学博士のホブスンは学生時代に湧いた疑問から、人が死ぬ瞬間の定義に関心を持つ。 精密な測定機械をつくって実験を重ねるうち、彼は決定的な発見をする。 その発見をさらに深めるため、自らをモルモットとして一つの実験を行う。 しかし実験は暴走をはじめ…

ベルカ、吠えないのか?

戦争に引き回された全ての「犬」たちの20世紀。 − 読み終わってみると、なんだか上の本とリンクしてるな。 怪犬仮面のパートが楽しい。作者ノリノリである。 前半が犬の話で後半が戦争の話かな。 犬を題材にして途中で20世紀を付け足したような、あんまり練…

本当の戦争の話をしよう

元兵士の語る、ベトナム戦争の真実のフィクション。 − 「レイニー側で」が読んでて非常にやるせなかった。 戦争に行く理由として、今まであまり考えたことないものだった。 そうだよなぁ。そりゃ逃げたいよなぁ。

これから読む本(つんどく)

ベルカ、吠えないのか? 今読んでる。まだ半分行ってない。 文体が珍しい感じ。弁士みたい。「疾走」ぽい? 長距離走者の孤独 表題作をまだ読み終わらない程度。 頭の中をファッキンという単語が駈け巡る。(そんなこと書いてないからね) 小説聖書 新約編 …

最近読んだ本

翼ある闇 前半が黒死館によく似ていた。オマージュってやつ? まさか鮎が! ローマ人の物語 危機と克服(中) 最近読むペースがめっきり落ちているものの、文庫本22巻まで来たぜ。 単行本で言うと8巻。ちなみに15巻で完結。遠いなー。 しかもすでに山場…

夏と冬の奏鳴曲

ぶっくおふでかった。ひゃくえん。のべるずばん。 − 主人公は、過去に遭遇した事故で命を落とした人物の幻影を引きずって虚無的に生きる医学生崩れの雑誌記者。 彼は編集長に命じられ、知り合いの女の子とともに日本海に浮かぶ小さな島へ取材に赴く。 そこは…

本業

おもしろいほんを、よんだ。

ドグラ・マグラ

読みきった。 意外と面白かった。 数日前に「おもしろくない」と書いたときは、ちょうど前半3分の1あたりのところで、胡散臭い精神病のお説を長々と聞かされていたところだ。もしこの後事件の真相が明かされるときに、これこれこうな精神の働きでこの事件…