姑獲鳥の夏

やっと見た。
この日記の書き出しのほうのねたが、映画化されるということで原作を読んでみた、という話だったと思う。
それから2年過ぎて、やっとDVDを借りた。
見ようと思えばいつでも見れたんだけども。

感想は、いいと思った。
不思議なセットや小道具と、奇妙な登場人物と、おどろおどろしい事件で組み上げられた変な世界に、しばし漬かることができる。
榎木津の服装に誰も突っ込みをいれなくても、大して違和感ないと思えるくらい、周りの人が変だった。

ていうか、関口さんが怪しすぎる。
原作を読んで驚いた点の一つに、初めのころはホームズたる京極堂に対するワトソン的記述者の関口君かと思っていたのに、読み進めていくと、実は飛んでもねー食わせ物だった、という点がある。
活字で読む限りでは、鬱病を患うという記述はあるものの、それほどおかしな人物とは思えなかっただけに、実は事件に深いつながりがあるのに自覚がなかったり、死体を見ても見逃したりする駄目っぷりは、衝撃的だった。
しかし、映画化された関口さんは、最初から怪しい。
あーとかうーとかしか言わず、冒頭のvs京極堂のシーンでは会話のキャッチボールになってません。
(そこらへんは自分も人のことは言えない。とてもとても。
これなら、どんなに駄目人間でも、なるほどね、と納得できちゃいます。

事件の真相については、どうも読んだ内容が思い出せないと思っていたが、その理由が分かった。
あまりにも無茶苦茶な真相に、私の脳はその記憶を封印してしまったのだ。
世の中に不思議なことはないとはいいますがね、
確かに呪いや憑き物といったものは京極堂理論では不思議ではないかもしれない。
しかし不思議さを科学に押し付けただけのような気がしてならぬ。
なぜ頭のない子が産まれるの、とか
なぜそんなに簡単に人格ができちゃうの、とか
なぜその人格は石で○○○を▲▲▲▲▲ちゃうの、とか
未解決の謎がいっぱい。

で、「姑獲鳥の夏だ。」と言ったのは誰なんだい?