塗仏の宴〜宴の支度

年末年始に暇な時間がたっぷりあったので読んでみた。
シリーズを大分読んだと思うのだけど、これでも9年前の発表。
最新刊を読むのはいつになることやら。
別に読むのが遅いわけではなくて、この本も3日くらいで読んだが、
なんか胃もたれみたいな感じがしてしばらく次のを読む気が起こらないとか、
休暇でまとまった時間とれたとき以外に読むもんじゃねぇとか。
どうしてもブランクが開いてしまう。
てなわけで約2年かけて6冊目。
の前半。(笑)

匣とか理のような、一見関わりのない事件やエピソードが6つ。
いつのまにか消えてしまった妖怪たちがそれぞれの表題として掲げられている。
これまでのように1巻で1種の妖怪を取り上げる形とは少し異なっている。
しかし各章での妖怪の重要度はまちまちで、取り上げる必要あるか?みたいな
存在感の薄い妖怪さんもいる。わいらって結局何なんだろう?

よくわからんが、巻末の初出を見ると、雑誌に単体で掲載された章は割と完結している感じで、
詐欺師の不正を暴く詐欺師の不正を暴く詐欺師の不正を・・・みたいに、
一見黒幕に見える人達が結局誰も中心にはいない、という展開になるのかなと思った。
が、それ以外の章は共通の要素が多く、どうにかして舞台を箱根にもっていこうとしてるちょっと苦しい感じがした。うわんの位置に何か作為的なものを感じる。

上巻では塗仏は登場しない。
名前自体は何度か出てるけど。ここも無理を感じてしまうのは、自分のとらえかたがおかしくなってしまったんだろうか。
確かに読んでる間も何度も前に戻って伏線の探りを入れる読み方が習慣になってしまったので、
伏線のにおいに過敏になってしまっているのかもしれない。
同じ苗字が出てくるとつい関連を探ってしまうのはもはや病気かもしれない。
秘書の名前は初見でピンと来たが、喜多島さんの関連性は見当たらない。多分ないと思うけど。
「本に単語検索機能がついていればなあ・・・」と思ってる人は自分だけではないはずだ。

ぬっぺっぽう・ひょうすべ・おとろし、あたりがおもしろかった。
特におとろしは、ああ、京極堂キャラが増えるのかなぁ、これはこれでおもしろいなあと思いながら読んでいた。前半は。
いや、温泉に入った瞬間気づいたさ。
2巻目を読んでもらうにはどうしたらよいか、という常套手段もなんとなく想像してたさ。
それにしてもちょっと非道いんではないかと思いましたが。

で、もう一人陰陽師ぽい人(あるいはユダヤ教徒)が出てきて、下巻はその対決のなかで塗仏を落とすのかなと思いつつ、それにしては下巻厚すぎだろうと思いつつ、関口さん壊れすぎ。