ぼくになることを

ディアスポラを読み始めて2週間くらいになるが、
まだ100ページくらいしか進まない。(全体の5分の1)
借りたものではなく買ったものの特権で
途中まで読んではまた最初から読み直したり
のらりくらりと読んでるところ。

数学を専攻してない身としてこれまでの100ページは辛かった。
もう少し微分幾何を勉強しとけばよかった。
だが、これまでの部分は、コンピュータ上の仮想生命であるヤチマが
いかに高度な知性を持っているかということを
表現したかっただけのように思える。
なんせ生後3日だし。(人間時間で)

そして生後6日目にして、ヤチマとその友は
ロボットボディに乗り込み、800分の1倍速の人生を謳歌する。
まあ、あれだ。
大学を卒業して社会に組み込まれる直前に
ちょっとユーラシア大陸横断してみようかな、みたいな
そんな感じだろ?
ようやく主題となりそうな部分が始まったのかな?
冒頭の回想とつなげて考えると、
この後ヤチマは鉱山からとても離れたところまで行くようだが。
もしこの後も数学的思索を要求され続けるなら、
ギブアップするかもしれない。
(どうでもいいことだが、冒頭の回想を読むたびに、
グレンラガソの第一話オープニングを思い浮かべてしまう。
そうか!トランスミューターってアンスパのことね。)

てな感じでまったり読んでいたら、
急に「ぼくになることを」の衝撃がフラッシュバックしてきた。
あの短編はすげえ。

以下、ネタばれ。読む予定のある人は見ないでくれ。

ポイント①:
生まれた子供には<宝石>が埋め込まれ、ずーっと脳の反応をモニタしてること。
しかも少しでも差があれば勝手に矯正されていく。
気持ちわりー。
②:
人間の脳を捨て宝石に切り替わる<スイッチ>が、ごく普通に受け入れられていること。
母「まさゆき、ちょっと話があるんよ。ここに座って」
父「実はな、父さんたちな、3年前にスイッチしてたんだ。」
俺「ゲーーー。お前ら宝石頭!?」
③:
不安なあなたも大丈夫。
スイッチ前の一週間、脳と宝石の挙動を比較し、完全一致を保証します!
そんな、ありがちな親切設計。
④:
お?俺は左に行きたいのに体は右に行くのかよ?
え、えっ?これなんかずれてない?ちょっと
ねえ、誰か聞けよ。脳と宝石がずれてんだろ、これ、ちょっと
おい、ちょっとまて、待った、ちょっとそのスイッチ待てったら!
⑤:
目が覚めた。
「スイッチ成功しましたよ。」
え?
じゃあ残ってる俺は、、、で、消え去った奴は、、、、
、、、
、、、、、
奴も最後のずれは認識してたんだろうなぁ。
、、、、
でも結局スイッチは決行されたんだよなぁ
、、、
、、

ま、いいか。

いいのか?
なんか怖すぎるだろこの話。
いかにも近未来にありそうな話。
ていうか、何で無いの?と聞きたくなるくらいありそな話。
義手・義足がある→人工関節・人工筋肉できた→人工心臓できた→じゃあ健康なうちに取り替えておけばいいじゃん→そうしよう→じゃあ脳は?→じゃあ脳も。