コンピュータネタその1

Linuxを自分のPCで動かしたいとかねがね思っていたが、ハードディスクのパーティションが購入時のままで使っていたため、後からLinux用の領域を確保できなかった。やるとすればDドライブのデータを一度CドライブまたはDVD-Rに退避してからDドライブのパーティションを切りなおし、データを戻すのだが、これはかなりの手間だ。ハードディスクを増設するという手もあるが、けち根性がそれを許さない…。

そんなとき有名なPCエミュレーションソフト、VMWareの無償版が出たというニュースを思い出した。VMWareはPCをプロセッサからエミュレートする有料のソフトで、30日くらいのお試し版はあったが触ってみることはなかった。無料のエミュレータであるQEMUも試しては見たのだが、PCとの相性が悪いのか期待していたレベルではなかった。製品版の技術がどんなものなのか興味はあった。

VMWare Player はPlayerの名が表すとおり、既存のディスクイメージを「再生」するものという位置づけで、新しいイメージを作ることはできない。しかしネットで検索すると、QEMU付属のイメージ作成ツールでイメージを作ればそれを利用できるという情報がぼろぼろ出てくる。とくに難しいことはないので「vmware player qemu」とググって頂きたい。

ディスクイメージのサイズであるが、Linuxであれば必要領域2〜3ギガで、メインで使うわけではないのでデータ領域はそんなにいらないから5ギガあれば十分である。しかしイメージを作るときに指定するサイズは上限で、初めて作成したときに実際消費するディスク領域は1メガくらいである。実際に使用した分だけ大きくなるみたいなので10ギガくらいを指定しておいた。

さて、次は中身だ。Linuxと一口に言っても実に多様な「ディストリビューション」とよばれる種類がある。Linuxオープンソース=タダと思う人もいるかもしれないが、たしかにLinux自体はオープンで無償で使える。が、それに独自の機能やチューンアップ、サポートを付加した製品版というのも結構ある。

有名どころでは商用はRedHatTurboLinuxVineSUSEなど、無償でDebianFedoraOpenSUSEKNOPPIXなどがある。また、UNIX系ならFreeBSDという選択肢もある。KNOPPIXはちょっと変わっていて、CDから直接起動して使うことができる。設定の保存はソフトの追加など大掛かりなことはできないが(できるのかな?)、ちょっと触ってみたいなら試す価値がある。FedoraOpenSUSEは、それぞれRedHat社のRedHat LinuxSUSE Linuxを土台にしたオープンソース版である。詳しい話は調べてね。

初心者にとっては多すぎてどれを選んだらいいかわからんのだが、実は入っているソフトはそんなに変わらない。大体のものはデスクトップ環境とブラウザ、プログラミング言語にいくつかのゲームが入っている。あとは見た目とかフィーリングで選ぶしかないのだが、一番大事なのは知名度。使用者の裾野の広さである。LinuxWindowsほど易しくはない(なかった)。インストールするだけでもある程度の知識を要する。インターネットで得られる使用者の声は貴重な情報である。日本語環境の充実も重要なファクターだ。そこで選び方だが、そのディストリビューションまたはプロジェクトのホームページを見て、「楽しそうだな」と思ったら、それはいい選択肢だと思います。いいものにはいい人が群がるもんです。

私はSUSE Linuxを選びました。理由は最近よく目にする機会があった、それだけです。ホームページから伝っていくとSUSE10をダウンロードすることができます。CD5枚分、3ギガあるので速い回線が必須です。雑誌の付録を利用することもできます。ダウンロードできるのは .iso というCDイメージで、これをCDに焼きこむなどして、読めるようにします。そこらへんは自分で調べるよう。Daemon toolsというCD仮想化ソフトを使うのが便利です。以下の記述はそれを使用した場合のものです。

VMWare Player をインストールし、ディスクイメージを作成し、Linuxも用意したなら、次は仮想マシンの設定です。テキストエディタで拡張子 vmx のファイルを作成します。内容は、これまた「vmware vmx」でググってどこかのサイトからもらってくるのが吉です。私は以下のサイトを参照しました。

うん、わかりやすいサイトだ。SUSEを使うにあたり修正するのは、guestOS=SUSEとすればいいのかな?メモリはそのまま256メガにしました。

インストールがうまくいっていれば、できたvmxファイルをダブルクリックすると実行されるはずです。…あれ、仮想CD読んでくれねー。ディスクがないって言ってるぞ。これは本物のCDドライブを読みに行ってんだな?調べるとvmxファイルにisoイメージを指定する方法もあるらしい。だけどSUSEのインストールには5枚のCDを入れ替えなきゃならんから、困るなぁ・・・と、いろいろ試行錯誤した結果、vmxファイルに以下の行を追加すればよいとわかりました。

  • ide1:1.present = "TRUE"
  • ide1:1.fileName = "auto detect"
  • ide1:1.deviceType = "cdrom-raw"

これで実行すると、なんとCDドライブが2個に。リッチだね!2個目のドライブはちゃんとDaemon toolsを参照してくれます。あとはCDを入れ替えながらSUSEをインストールするだけです。

覚えておくべきこと。Playerのウィンドウをクリックするとマウスが仮想マシンモードになり、Ctrl-Altを押すとWindowsに戻ってくる。使ってみた感想。「超かっこいい」