Geno 2.0

ふと、自分が何者なのかというのが気になった。
自分の知っている祖先の情報はせいぜいおばあさんまで。おじいさんは自分が生まれたときには死んでいた。
特に古い家柄でもなく、何かを受け継いでいるわけでもない。
おばあさんの代に本州から北海道に移住しているから、それ以前のルーツは何も知らないといってよい。

戸籍をたどれば近い祖先を明らかにすることができる。
しかし、自分の本籍地に戸籍を請求、親との関係を示す資料を用意して親の本籍地に戸籍を請求、祖父母との関係を示す資料を・・・と手間がかかる。
代行で調べてくれるサービスもあるので、それは気が向いたらやってみるとして。
今回は、DNA検査を受けてみることにした。

DNA検査のサービスは、国内ではジーンライフ、MYCODEなどがある。海外では23andMeなどがある。
国内のものは利用しやすく、値段も手ごろだが、母系ミトコンドリアのmt-DNAを特定するものはあっても、父系のY-DNAはなかなか対応していないため、ルーツたどりとしてはいまいちかな。健康に関する情報は充実しているので、目的にあわせて選べばよいと思う。
海外のサービスは、利用しにくいが、Y-DNAを特定してくれる。ただし法的な規制で健康情報は日本から見れないようだ。
自分は、海外のサービスで、学術的な印象の Geno 2.0 を受けてみることにした。
Geno DNA Ancestry Kit

ジェノグラフィック・プロジェクトは、かのナショナルジオグラフィックも参加する学術プロジェクトで、世界中から遺伝子を収集し、人類の進化の流れを明らかにすることを目的としている。現在91万人の参加者がいるようだ。
ジェノグラフィック・プロジェクト - Wikipedia

4/5、Webサイトから申し込み、購入手続きをする。送料込みで179.9ドル。だいたい2万円。
4/22、キットが送られてくる。

中身はシンプルで、数ページのパンフレット。

サンプル採取用の綿棒と送付用の試験管。

返送用の封筒。

それと同意書が入っていた。
綿棒でほっぺたの内側を30秒こすり、液体の入った試験管に入れる。左と右で2つのサンプルをとり、同意書と一緒に封筒に入れる。
さあ、アメリカに送るぞ!
国際郵便なんて使ったことないけど、あて先記入済みの封筒もあるし、なんとかなるだろう。という軽い気持ちで郵便局へ。

よくわからないので郵便局員さんにまかせた。
局員さん、マニュアルをひっぱりだして悩みながら対応してくれる。
どうも、税関を通すために中身の簡単な説明を書く必要があるらしい。
うーん。医療品?それはそれで怪しいな。
スマホで検索しながらさんざん悩み、Genetic testing sample. Not infectious. と書いた。後半は局員さんに書くように勧められた。(non-infectiousのが正しいのかな?まあ、わかってもらえればよい)
税関で差し押さえられるかもしれないので、念のため自分の住所も書いておく。
送料は通常の航空便小型包装物で150円。安っっっ! 無事届くか不安だ。
国際郵便には、普通のと、EMSというのがある。
たぶんEMSの方がおすすめ。2000円くらいするけど、速くて(4日)追跡もできる。

5月の2週ころ。Webサイトのログインページのステータスが、「サンプル未到着」から「サンプル届いたお!」に変わる。2万円捨てることにならなくてよかったー。
結果が出るまで数か月かかるらしい。気長に待つか。

5月の4週。Webサイトに結果が出た。早くね?大丈夫?

そしてこれが、自分と遺伝的に近い歴史上の偉人の図だ!


なんと! 自分とリンカーンは12万年前に共通の祖先をもつんだ! マリー・アントワネットと6万5千年前に共通の祖先をもつんだ! ナポレオンと4万5千年前に共通の祖先をもつんだ! それはほぼ無関係って言うお(泣
やはり欧米のプロジェクトのためアジアのサンプルが少ないのか、近い年代のマッチは0件になっている。今後のプロジェクト発展で、アジアの偉人が充実してくるといいんだけど。


1万年前〜500年前。あなたは100%東アジア人です。うん、知ってる。
自分の体に流れる国際的な血統が明らかになってしまうんでは?と思ったけど、別にそんなことはなかった。


これがメインかな。
遺伝子に現れるパターンをもとに、人類の集団を系統的に分類する研究がされている。これをハプログループという。
mt-DNAはミトコンドリアDNAのことで、母からしか引き継がれない。したがって、mt-DNAを調べることで母―祖母―曾祖母ー・・・−ミトコンドリアイブまでの経歴を探ることができる。
日本ではmt-DNAのDグループが4割を占め、N9は1割以下と割と少数派だ。N9は縄文人におらず、渡来系のルーツを持つようだ。
ミトコンドリアDNAでたどる日本人のルーツ
Y-DNAはY染色体DNAのことで、父から引き継がれる。
自分はDグループ、もう少し詳細に言うとD1bで、日本人の3〜4割を占める。縄文人にルーツがあるらしい。
Y染色体ハプログループD1b
つまり、自分のルーツは、他の多くの日本人と同様、縄文人弥生人(渡来系)の混血であるようだ。
もちろん、これは先祖のすべてではなく、遺伝子のすべてでもない。現在の科学でわかるのはここまで、という程度の情報だ。


これはネアンデルタール人のDNAの割合。
まあ、平均値ど真ん中だからどうでもいいや。

だいたいこんな感じ。まだサンプル受理から1か月しかたってないから、今後内容が更新されるかもしれないけど、されないような気もする。
日本から申し込むと健康に関する情報が見れないので、若干割高かもしれない。
しかし、今後日本人のサンプルが増えると、プロジェクト内の重要度が高まったり、研究が進んだりして楽しくなってくるかもしれない。
さあ、みんなもやろう!
思い立ってから2か月で意外と早く結果がわかるぞ!