放射能について

今、冷蔵庫に千葉県産のフレッシュなほうれん草が入っているのだが、これは放射性物質と見るべきだろうか?それとも、水で洗って新鮮なうちに食すべきか?

世間の(自分も含めて)放射能についての知識があまりに貧弱なので自分で調べてみた。
ちなみに私の科学知識は学部卒程度、専門知識ナッシング。

放射線とは…
物質の中には放っておくだけで勝手に電磁波などを放出するものがある。これを放射性物質と呼ぶ。
自然に存在するウランや、それから作られるプルトニウムが核燃料として有名だが、放射線を出す物質は他にもたくさんあり、自然に普通に存在する。
放出する電磁波などを放射線と呼ぶ。
放射線を大量に浴びる(被曝)と細胞やDNAが損傷する。軽度の損傷は修復されるが、修復しきれない場合、細胞が死滅したり、がんや白血病を引き起こす場合がある。
放射線は透過能力が高いため長時間浴びなければ影響が少ないが、放射線を出せる(放射能を持つ)物質を体内に取り込むと長期にわたり被曝する可能性があり危険。

単位の話…
放射線の単位は用途によっていくつかあり、数字の大小だけで一概に比較できない。

  • ベクレル:物質が放射線を出す割合。大きければたくさん放射線が出る。
  • グレイ(吸収線量):放射線受けた側が吸収したエネルギー量を表す単位。
  • シーベルト(線量当量):放射線は種類によって人体への影響度が異なるため、放射線の種類ごとに決まった係数をグレイにかけて、人体への影響度合いを見るための単位。

ベクレルは放射線を出す側、グレイ/シーベルト放射線を受ける側であることに注意。
放射線源との距離が離れるほどグレイ/シーベルトは下がる。また線源との間の障害物が厚いほど下がる。

参考:Wikipedia:放射線 Lec-放射線

さて、厚労省の調査でほうれん草から基準値以上の放射線を検出したと報道されている。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015iif-att/2r98520000015jpm.pdf
ベクレルで測っているのだからほうれん草に放射性物質が含まれているのは間違いない。
しかしこの量はどう考えればいいのだろう?ネギとほうれん草はなぜこんなに違いがあるのだろう?
一見するとほうれん草のベクレルが凄いように見えるが、よくみるとCs 478Bq/kgはセーフで、524Bq/kgはアウトとなっており、基準値を超えたといってもずば抜けて超えているわけではない。ヨウ素のほうは、まぁ、5倍くらいかな。ていうか暫定規制値ってナニ?
ということで、私は冷蔵庫に入っているほうれん草を、念のためきちんと洗ってから、茹でておひたしにして食おうと思います。うまうま
…念のため海藻も食っておこうか…

倍数のふしぎ…
10円の4倍は40円です。「ヤッター、うまい棒がもう3本買える」
10億円の4倍は40億円です。「ありがたい、公共事業がもう3つ通せるぞ!」
同じ4倍でも、元々の規模によって眼に見える効果は全然違います。
「レモン1000個分のビタミンC」と似たようなマジックです。(レモン一個あたりのビタミンCは20mgと意外に多くない)

みなさんどうか、放射線量○倍の言葉にパニックせず、落ち着いて行動してくださいね。