かれこれ2年以上にわたって今の開発プロジェクトが続いている。
長い在籍期間にも関わらず、規模は縮小の一歩で、数ヵ月後には無くなると予想される。
途中参加の自分は何とか食い込んで金を引き出したいと思っていたがかなわず、自分の社内評価には全く響くことがなかったのが実情だ。
縮小が決まってからは半ばやる気を失って、消化試合のように工程をこなすのが最近だった。

昨日のこと、打ち合わせの最中に偶然引き合いに出された古い資料。
どこかで見覚えのあるなぁと思ったら自分が2年前に書いた資料だった。
画面の設計に関するもので、仕様と言うより単なるメモ・草案程度のもので、現状の画面と比べると同じ所もあり、違うところもある。
「ああ、こんな案もあったんだなぁ」とか
「この案は客の誰それがこんな理由で拒否ってダメだったよな」とか
「これって開発後半に突然出された仕様変更だったな、しんどかったな」とか
いろいろ思い出されて面白かった。

とある画面、今とくらべると配色がどぎつい。
そうそう、しれっと客に出したら案の定ツッコミが入って、穏やかな色に直したなぁ。
そんなしょうもないことを逐一覚えている自分を、ふと俯瞰して、
自分はこのプロジェクトの一部でしかないけど、それでも2年にわたって付き合ってきて、もうほとんど隅から隅まで把握しているんだなぁと思ったら、感極まって泣いてしまった。
自分でもびっくりした。自分にそんな機能ついてたのかと。

得意分野は違うけれど頭のいい人たちに囲まれて、必ずしもいつも和気あいあいとしてはなかったけど、それなりに仲良くやってこれて、自分はなんと幸せなのだろう、って思った。
自分の思い描いた理想と現実は大きく差があって、新しく誰かと出会うたびに考え方の違いに驚かされ、客観的に見れば大成功には程遠いのだけれど、自分の中では宝物だなぁ、って思った。
誰にも言わなかったけどw

しばらく一人で気を落ち着けて自席に戻ったが、新たにバグ票が出てて脱力した。