嵐が丘

ぶっくおふでうってた。
ひゃくごえん。

・あらすじ
イギリスの片田舎、空が荒れれば嵐が吹き付ける高台に、屋敷があった。
ある日主人のアンショー氏が、旅の途中で親のない子を拾ってくる。
ヒースクリフと名づけられたその子供は、ヒンドリ、キャシー兄妹と一緒に育てられることになる。

アンショー氏はヒースクリフをかわいがり、キャシーともとても仲が良かった。
アンショー氏が病で亡くなり、ヒンドリが屋敷の主となるとヒースクリフの扱いは悪くなった。
キャシーが隣屋敷の息子エドガーと親しくなるのをみて、自分も上品に振舞おうとするが残酷な仕打ちを受け、ヒースクリフは屋敷を飛び出す。
やがてキャシーはエドガーと結婚する。

数年後、ヒースクリフは屋敷に滞在し、飲んだくれのヒンドリに金を貸していた。
そしてキャシーのすむリントン家の屋敷の周りを不気味に歩き回る。
彼の目的は、両の屋敷を奪い取り、キャシーを得ること、そして冷たく当たってきた人達に復讐することであった。
・あらすじおわり

ここまでがおよそ前半で、このあとヒースクリフがどのようにアンショー家とリントン家を踏みにじっていくかということが中半として続く。
登場人物は家主ヒースクリフと、ヒンドリの息子ヘアトン、エドガーの娘キャシーの代に交代する。
物語は、使われなくなったリントンの屋敷を賃借りすることになった青年がヒースクリフの屋敷を訪れ、アンショー氏の代から屋敷に住む家政婦から昔話を聞くという形式で進む。
ヘアトンは父親を軽蔑するように粗野に育てられ、娘キャシーはヒースクリフの病弱な息子と結婚させられ、まもなく夫が死に未亡人となると、相続したリントン家の屋敷をヒースクリフに取り上げられるという始末。
家政婦は青年に、あなたがキャシーを愛し屋敷から連れ出してくれるなら少しは救われるのだがとこぼす。
青年は決心する。こんなところにくるのは二度とごめんだ、と。

嵐が丘というと恋愛小説というイメージがあったが、
ここまでのところではとても恋愛小説とは思えない。
登場人物の行動の動機は恋愛に由来しているから、恋愛小説でないとも言えないのだが。
少なくとも恋愛小説ときいてイメージするようなさわやかな物語では全くない。
もっとも今まで私は、どこかで何か叫んだりするようなさわやかな恋愛物語を読んだことないので、全くの偏見ではあるが。
しかしこんなに恋愛という単語を連呼することも一生のうち、そうないのではないか。

てなわけで、物語は、聞き手の青年が薄幸の未亡人をさらって都会で暮らすというようなロマンチックな結末は迎えない。
しかし、ある種それよりも幸せな終わりを迎える。
とても不思議な結末だ。