こんな夢を見た
2点があり、その間を私は走っていた。
出発点がどこで目的地がどこだかは意識していない。
ただ何らかの目的があって同じ道筋を繰り返し走っていた。
2点は同じ大きな建物の中にあるらしい。
階段を下り、廊下を斜めに短絡し、扉を抜けた。
−
大きな体育館に出る。
そこには数匹の猫が放し飼いされている。
黒と灰色とあともう2、3匹。
通り過ぎようとする私に狩猟本能を目覚めさせたのか、猫達は追いかけてくる。
猫は俊敏に駆ける。
しかし人間は身体が大きく歩幅も広い。
そう簡単にはつかまってやらない。
猫の体当たりをかわしつつ、私は出口の扉を目指し走る。
灰色のアビシニアンが追いついた。
仕方がないのでぎゅうと抱きしめる。
そしてまた走る。
−
何度目かの通り抜け。
体育館には相変わらず猫たちがいる。
黒と灰色とあともう1匹、黒のやつは一回り大きく見える。
走り抜ける。
猫が追ってくる、黒い毛むくじゃらの。
吐息が聞こえる。
あれは猫?
いや違う、あれは犬だ。
犬の体当たりをうけてよろめき、立ち止まる。
じゃれかかる犬を適当にあしらいながら出口へ向かう。
しかししつこい。
いくら追い払ってもなお、ハッハッと息を荒らげ私の身体を登ろうとする。
扉の裏に作業服姿の老人がいたので助けを求めた。
「おじいさん、この犬しつこいよ。」
「そう」
だめだ、反応が鈍い。
このまま犬を引っ張って進むわけにも行かないので体育館に戻る。
−
なんとなく、あっち向いてほいを始めた。
じゃんけんぽん、あっち向いてほい。
犬の首は動かない。
私は犬の顔を軽く打った。
じゃんけんぽん、犬は動いて何かを表現しているみたいだ。
驚いてこちらの手が遅れた。
犬は遅出しに猛然と抗議してくる。
わかっていやがる。
私はしばらく犬相手の勝負に没頭した。
−
そして目が覚めた。