以下の文は寒さと風邪にやられてる人間のたわごとです。

22世紀。
子守り用ネコ型ロボットが大ヒットする中
オムニ社はその技術を軍事兵器に転用しようとしていた。

「このカオ酢を使えばドら之モんを殺戮マシンに変えることが出来るでしょう。」
ストレンジラブ博士は発表した。
「このカオ酢はPH6の弱酸性溶液ですが、神経系に作用します。
 これを20ccばかり静脈注射すれば、生物は凶悪な野生の力をむき出しにして
 破壊の限りをつくします。」
委員会は200万ドルの予算を承認した。

8ヵ月後。
博士「とうとうドら之モんを被験体とした実験だな。」
助手「ええ。これまでのラット、インコ、モグラ動物実験では
 想定以上のデータが得られています。
 このプロジェクトの成功はもはや目前です。」
走りよる研究員。
研究員「大変です!ドら之モんに静脈がありません!」

そんな感じで8ヶ月の実験データは無に帰したわけだが、
ストレンジラブ博士はカオ酢への愛情を捨てられなかった。
「よし、漬けよう」
ドら之モんはカオ酢に漬けられた。
走りよる研究員。
研究員「博士!ドら之モんの耳が酸でぼろぼろです。」

チャームポイントの耳は金属とプラスチック繊維で出来ていたが、
酢に漬けられることは想定していなかった。
「耳はデザイン上の理由で削除したことにしよう。」
ああ、ドら之モんは丸坊主
これ以上の侵食を止めるため、青い塗料が全身に塗られた。

酢に漬けたのは博士のやけくそだったが、
驚いたことに結果は良好だった。
初めての起動実験で
ドら之モんは博士・助手を含む関係者20名を瞬殺し、逃亡した。

ドら之モんが暴走をやめたのは1週間後。
ナパーム弾の雨が周囲5キロメートル四方を完全に焼却した後だった。

酢の香りと焼けた樹脂の刺激臭を漂わせるドら之モんを前にして
オムニ社の重役は戸惑った。
研究所関係者が絶えた今、誰がこれを引き取るというのか。
社長はそこらへんを歩いていた彌起命(みきのみこと)と彌仁命(みにのみこと)バカップルを呼び止めた。
「これあげる。好きにして。」

みき「家にもって帰るにしても、この酢の匂いはたまらないな」
みに「なんとか中和できないかしらね。」
みき「梅干しに漬ければいいんじゃね?」
みに「なんで?」
みき「梅干しはアルカリ性だからさ」 ※

ドら之モんは彼らに殺意を覚えた。
なんとなくネズミが嫌いになった。
でも動けなかった。
しっぽのスイッチが落ちてたから。

ドら之モんは梅干しに漬けられた。
結果はまたしても良好だった。
酢の刺激臭はしその香りと混じって、
形容しがたい、しかしそれほど悪くはない匂いだった。
なんつうか、
プリンに醤油をかけたらウニ!
みたいな感じだった。
ついでに凶暴な性格も影を潜めたみたいだ。
本当か?
しらねぇよ。
とにかくあのロボットはどっかのバカが子守り用ロボットとして買ってった。
本当さ。あのバカップルが言ってたんだ。

※ちなみに梅干しはアルカリ性というわけでもないようです。
http://eco.goo.ne.jp/food/slowfood/dentosyoku/shoku17.html